親がうつ病であること
母親がうつ病であること家族がうつ病という病気にかかっていることが原因で、プッと笑えるような出来事があったとてスーッと暗い気持ちになってしまうこと。
子供は、僕が妻のうつ病について混乱する以上に心が不安定だと思うんですよね‥‥
そりゃね‥‥
小学生位のお子さんのいる、うつ病家族で、親がうつ病で精神不安定な状態である時の子供自身の不安感なんてのは、とてつもなく大きなものだと思うんですよね。
特に母親が、うつ病の場合。
夫の立場ってのは、当然何もかもの状況を把握した上での苛立ちや不安なんでしょうけれどね、子供ってのは状況把握なんてしてませんからね。つまり、「なんだかよくわからないけど」自分のお母さんが物凄く大変なことになってるって、真正面から事態と直面してるんですよね。
「なんだかよくわからない」?いいえ‥‥「全く、何が起こってるのかわからない」その方が、正確かもしれませんね。
「お母さんが変になっちゃった!」
そして、大好きなお母さんは「元気になるの?!」
ねえ!どうなっちゃうの?!なんで泣いてるの?なんでおこってるの?なんで?!
その理由を、知ることも理解することもできない子供心‥‥
夫は、妻の状態に翻弄されて、そして次に「自分」の気持ちの整理に必死となり、そこに、うつ病家族の一員である、子供の抱える不安や時には恐怖に近い感情を置き去りにしてしまう。そんな場面って、時として発生してるはずだと思うんですよ。
置き去りなんて‥‥いえ、置き去りって、そんなつもりはないんです。
子供達のことだって心配なんです。
だけど、そこまで「頭が回らない」時が‥‥あるんですよ。というよりも、「気がつかない」。
確かに、子供だから意味もわからず不安であると同時に、「事態の深刻さ」そのものも理解していないのでは?なんて考え方もできなくはないんですが、子供って大人以上に親の危機的状況を肌で感じ取ることができますよね。
だから、母親が壊れてしまう理由すらわからずに不安な気持ちに包まれるストレスは、大人以上のものがあるはずなんです。
お母さんは少し疲れちゃって、しんどそうにしてるけど大丈夫。
すぐに元気になるからね。
心配なんてしなくていいんだよ‥‥大丈夫なんだよ。
そんな事を言ってみても、目の前で泣き崩れる母親を見て平気なわけないんです。
だって、僕は泣いてる理由わかりますよ。うつ病の症状だってね。
でも、わかんないんですよね。子供は。
うつ病の母親でも子供の前だからとパーフェクトに平静を保つことなんてできませんよね。
そんな事できる余裕があるんだったら、精神安定剤なんて必要ないんだろうし、病気といえる程のものでもないんでしょうし。こんな場合は何故?自分の妻が取り乱してるのかを、ちゃんと知ってる夫という者が、家族の中で一番冷静に家族全体を支えようとする気持ちが求められると思うんです。
冷静に支えるったって、何するわけでもありませんけど‥‥。
でも、患者も苦しい。そして患者であるという意味すら理解できずに苦しむ子供達。家族は、そんな状況であるということ。
つまり、夫は、会社での大きなストレスと家庭での深い悩みに挟まれて、時にうつ病患者以上に苦しい時がある。
しかしながら、状況を理解することすらできず、目に見えぬ大きな不安を、その小さな胸に溢れんばかりに抱え込みながらも懸命に母親を案じる子供心の存在を忘れてはならないんですね。
それじゃあ、そんな時に家族全員、真っ暗闇のトンネルの中で悲観にくれているようなものなのか?いえ、そうではなく‥‥家族に共通する気持ちがあると思うんですよね。
うつ病患者は、良くなりたいと思うから泣く、怒る、悲しむ。
家族は、良くなって欲しいから動揺して不安に包まれる。そう。家族みんなが良くなりたいと思う中の、つまづきなんですよね。
逆に考えれば、それ以上悪くならない為の自分たちへの働きかけであるような‥‥
ならば苦しみは、それ以上の苦しみへのブレーキ?
うつ病家族。
本当にいろんないろんな悩み 怒り 苦しみ そして悲しみ。とてつもなくいろんなことがありますね。そんな中、家族の危機的状況の理由すらわからない子供達の存在を忘れてはならないと僕は考えるのであります。
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