2014/12/08

精神科の待合室 声だけが泣いていた少女

posted by うつ病の妻を支える平凡な夫
スポンサーリンク
妻の通院日と仕事の休みが重なれば、僕は診察に同席するようにしています。
ただね、診察といっても次の薬をもらう為の手続きのようなもので、ここぞとばかりに先生に色々と質問するわけじゃありませんから。
冷めた言い方すると、処方の更新作業のような………。

ところで、精神科の待合室って独特の雰囲気がありますよね。

歯科の待合室とは「重たさ」がちがいます。
身じろぎもせずに床を見つめてる人、漫画を読んでる人、ひたすらスマホの画面を見ている人、寝てる人、4人掛けの長椅子を独り占めして力なく横たわってる人、泣いてる人、怒ってる人、わめく人………。
統一感がないような、なんて言うか、とにかく独特です。
で、診察室から漏れ聞こえてくる、怒っているのと泣いているのが混ざったような話し声。
ひたすら診察時間が長くて、先生の「はい!そしたら次回は…」と歯切れのよい声でようやく診察室から出てくる人。
反対に、ものの5分で診察の終了する人。

とにかく、ここにはいろんな人がいろんな振る舞いで同じ時間を共有しているような、そんな印象がします。

精神科って、今日診察してもらったらいつ頃症状が消えるだろうって筋書きがないですよね。

「はい!○○さん、今日で全部治療おわりましたよ」なんて、歯科のように区切りよく完治すればいいんですがそんなわけにはいかないものです。

と、そんな感じで妻の通院日には僕も精神科を伺うわけなんですが、先日、こんな出来事があったんですよ。
精神科の待合室には例のごとくいろんな人たちが診察の順番を待っていました。
すると、その中にお母さんに連れられた少女の姿があります。
見たところ、小学校高学年ぐらいでしょうか………。
その女の子、さっきからお母さんにすがるようにずっと言い続けているんです。
「誰もわかってくれないの…」
「死んでしまえばいいの…?」
「もうぜんぶいやなの…」
そんなことをすすり泣きながらお母さんに訴え続けています。
泣きながらと言っても涙は枯れてしまっているんでしょうね、ほとんど涙は流れてません。だから、声だけが泣いてるんですよ。
そして、なんにも言わずにただただ黙って手をにぎりしめているお母さん。
時折、ウンウンと優しく返事をしています。
僕はね、お母さんの疲弊した横顔に言葉にならない物寂しさを感じました。
僕には親子の詳しい事情はわからない。
でも、希望と愛情に包まれてオギャアと生まれ、その若さで死にたいと涙する人生ってなんでしょう?
その子の診断名も僕にはわからない。
でも、うつ病は自殺を死亡とするなら癌よりも死亡率の高い病気だと知人から聞かされたことがあります。

心の風邪?

僕には、そんなキャッチコピーがピンとこないんですよ………。


スポンサーリンク

コメントを投稿

アクセスの多い記事

sponsor Link

Copyright ©2015 うつ病の妻に僕のしてあげられること Design by Anders Norén Blogger Theme by NewBloggerThemes.com