うつ病の妻を支える夫の立場。
ときに、愛情に裏腹ないらだち。ときに、苛立ちをはねのける愛情。
いろんな、いろんな気持ちが混ざりまざって「最近は静かに暮らせているなぁ」と思う矢先に再びうろたえて途方に暮れて………。
そんな毎日の中で自分は「愚か」だと思うことがあるんですよね。
それは、僕自身が何かにうまくいかないとき、うつ病のせい、そして、うつ病の妻のせいと置き換えてしまうことなんです。
まして、うまくいかぬことの理由がこの僕にあることが明らかなのに、そう考えてしまうことがあったりと。
妻がうつ病でさえなかったら………
そんなことを考えてしまう僕は、妻に理由を転嫁してしまうことで冷静になろうとする「おろかな自分」仕事でミスを連発したのは家の問題を職場に引きずっているからだ。
妻のうつ病が理由でいつだって我が家は曇り空じゃないか。
だったら、妻がうつ病でなければ僕も子供たちも晴れやかな毎日に違いない。
そんなことをくちごもる自分に、僕は問いかけるのです。
「君は本当に妻を支えられているのか?」
「君は本当に家族が大切なのか?」
「逃げてしまいたいだけなんだろう?」
「結局、自分が一番大事なんだろう?」
愛情に裏腹ないらだちに包まれる僕は愚痴のようでありながら、案外、真意でもあるかもしれない。
すると今度は、苛立ちをはねのける愛情が、穏やかに僕を諭すんです。
僕も、家族も。
誰かがうつ病になると皆が苦しいかもしれない、そう思うのは全然かまわない。
でも、忘れちゃいけない………。誰かのせいにするどころか自分のせいにすることしかできない、うつ病の妻の苦しみを。
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