うつ病との家族の闘い。うつ病の妻を支える家族の軌跡。家族の立場における夫の、過去・現在・そして未来への想い。うつ病とは無縁のそれまでの人生。しかし結婚後に直面した妻のうつ病発症。うつ病って何?心の風邪って何?・・・。無縁と無知に無関心の状態から突如として「精神科」という踏み込んだことのない領域へと飛び込んでしまってから長い長い年月が過ぎ、暗く長いトンネルへ入ってしまった以上、立ち止まる事も、戻って入口から出る事も出来ない。出口から出るしかない。何故なら、うつ病発症の事実は消えはしないから。
けれども、過去は変らぬども未来は変えられる。そんな気持ちだけを頼りに、うつ病という名のトンネルの出口へ向かって前向きに歩んでゆきたい。
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2008年4月25日金曜日

感謝されたい気持ちのこと

僕達の場合は、夫が健常者で妻がうつ病っていうケースです。とは言っても、うつ病の家族を支える一人の男として常に心身共に健康な訳でもなんでもありませんから時に、どっちが「うつ病」なんだか判らない場合も多々?あることは事実であり・・つまり僕だって妻以上に鬱的な気分の時は「ある」んですから。

妻が鬱な時は、僕は敏感にその状態を感じ取る。が、しかし・・・
僕が鬱的な気分の時は、その悩みや苦しさは誰にも知り得ない世界の中で渦巻いている。そうして苦しさの渦の中で平然と出社し家庭を支える為に仕事につく。仕事中、社内的にも社外的にも同僚にも僕が人知れず苦しんでいることなど誰もが把握することなどなく、僕自身を癒すものは自分ひとりだけ・・・。
そして何よりも知って欲しいであろう妻に対しては、両者の意思疎通の障壁となるうつ病という存在が、家族の苦しみを患者が察知する以前に吸収してしまう。
それはそれでいいんですが、正直・・・
秘かな想いとして、10年後でもいいから
「支えてきたことを相手に心底、感謝されたい」っていう気持ちはあるんですよね。・・・

うつ病が完全に過去のものとなり何年かが経過し、夫婦で夫婦の過去を振り返った時に相手から思いっきり感謝されてる自分がいる。そんなささやかな希望も僕の心の何処かに存在しているはずと思うんです。誰だって生身の人間ですし慈愛の心だけで配偶者に接することなんてできやしませんし、見返りを求め合う一種の需給関係があるからこそ元は他人同士である夫婦が、その関係を維持できるのかもしれません。
「あの時の支えがあったから今の私がいる。ありがとう・・」
そんなひと言が、過ぎ去った深い苛立ちや不安、苦しみを全てリセットしてくれるように思うんですよ。通り過ぎてきた過去や出来事は絶対に消えることは無いけれど、今を変える権利は誰もに与えられたチャンス。
妻に対して理解し続けてきたであろう僕と、日常の大部分において僕の気持ちを理解することを、病気により邪魔立てされてきた妻。
そういう部分の両者の気持ちの隔たりが時を重ねたころに解消されることとなるのは、やはり「うつ病患者からの感謝の気持ち」ではないのかなと思うんですよね。
そんなことを、与え与えられる夫婦の需給関係って考えてしまうと何だか人間臭い話となってしまうんでしょうが、何を隠そう・・・誰しも人間。(笑)、わかって欲しいのは「うつ病家それぞれの想い」であると感じるところであります。
うつ病という病気と向き合うってことは大部分が長期戦となるはずと僕は考えてますし、その長い年月の中には場合によって人生の方向性自体を変えてしまう要素も多分に含まれているのではないんでしょうか?
近い将来・・・
妻が苦しみを振り返った時に「自分を変えてくれたのは薬と医者ではなく、家族である」
そんな気持ちが心のどこかに存在しているなら、僕は消えぬ過去を誇りとして生きてゆけるはずだと思うのであります。非常に荒っぽい表現かもしれませんが、薬はモノ。医者は他人。モノや他人は役目を果たす行為をしてくれたとしても人生を賭けて相手に接することは不可能だと思うんですよ。人生を賭ける?そんなオーバーな・・・?
いえ、決してオーバーでもなんでもなくて人によっては離婚や他界を経験されるケースも無数に存在する、十分に人生観そのものを沈思黙考 する機会を与えられるはずであると感じるのです。人生って何?愛情って何?夫婦って何?自分って何?
人の心は、人の心で変えられるの?
そして・・大切なものって何?
過去は絶対に消し去る事もできず、リセットすることもできないけれども今を一生懸命に生きるという、最も重要な気持ちを造りだす糧となる場合もある。
僕は煩雑すぎる毎日の中で、駆け巡る気持ちをしっかりと刻んでおきたいと思うのであります。



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